【1291号】BOY&BOYISH 4、小学校の「あいさつ運動」へ 令和080919
BOY&BOYISH 4、小学校の「あいさつ運動」へ
ステージではなく、朝の校門に立つ
ある日の地域活動部。
サッカー部との交流企画がひと段落したあと、BOY&BOYISH 4の四人は、次の地域活動について話していました。
陽太が言います。
「イベントじゃない活動も、もっとやってみたいな」
蓮も、
「ステージがない場所でも、できることありますよね」
と続けました。
そこで悠真が思い出したのが、小学校で行われている朝のあいさつ運動でした。
「朝、校門で『おはようございます』ってやるやつです」
リンがすぐ反応します。
「それ、いいかも」
彩花も、
「派手じゃないけど、地域活動部っぽい」
と賛成。
カイルも、
「歌わない、踊らない、それでも意味がある活動。むしろいいね」
こうして、BOY&BOYISH 4の発案で、海老楽市内の小学校と相談し、朝のあいさつ運動に参加することになりました。
当日の朝
集合は午前7時20分。
普段のステージより、かなり早い時間です。
陽太。
「眠い」
リン。
「テレビロケより早い」
悠真。
「でも小学生もっと早いですよ」
蓮。
「そう言われると何も言えないですね」
四人は学校指定の活動用ビブスを着け、校門前へ並びました。
制服衣裳ではなく、落ち着いた大学生らしい服装。
今日はBOY&BOYISH 4として見せる日ではありません。
地域活動部の学生として立つ日です。
最初は少し照れる
最初に登校してきた児童へ、陽太が声をかけます。
「おはようございます」
小学生。
「……おはようございます」
少し恥ずかしそうに返事。
次の子にはリン。
「おはよう!」
「おはようございます!」
悠真。
「元気だね」
蓮。
「気をつけて行ってらっしゃい」
最初は四人も少しぎこちない。
でも児童が増えるにつれて、だんだん自然になっていきます。
「テレビの人だ!」
途中で、一人の児童がリンを見て立ち止まりました。
「テレビの人!」
リン。
「知ってる?」
「知ってる!商店街の!」
今度は陽太を指して、
「こっちも!」
陽太。
「こっちも、って」
周囲の子どもたちも気づき始めます。
「BOY&BOYISH 4だ!」
「本物だ!」
「悠真くんいる!」
「蓮くんも!」
校門が少しざわつきました。
しかし先生が、
「はいはい、まずは元気にあいさつしましょう」
と声をかけると、子どもたちは一斉に、
「おはようございます!」
四人も笑って返します。
「おはようございます!」
リンのひと工夫
リンは、声の小さい子に対して無理に大きな声を求めませんでした。
小さく会釈する子には、
「おはよう」
と静かに返す。
恥ずかしそうな子には、
「無理に大きく言わなくてもいいよ」
と笑う。
陽太も同じように、
「目を合わせるだけでも十分」
と自然に接します。
その様子を見ていた先生は感心しました。
「皆さん、子どもへの距離感が上手ですね」
彩花は少し離れたところから、その様子を記録していました。
蓮と悠真にとっては特別な活動
蓮と悠真にとって、このあいさつ運動には少し特別な意味がありました。
高校時代。
地域の人に挨拶されても、面倒そうに返したことがある。
注意されても無視したことがある。
そんな二人が今は、朝の校門で自分から子どもたちへ声をかけています。
蓮は休憩中に言いました。
「昔の自分じゃ考えられないですね」
悠真も、
「俺、こういうの一番避けてたかも」
リン。
「だから今やってるんでしょ」
悠真。
「はい」
陽太は、
「いい変化じゃん」
とだけ言いました。
子どもたちから逆に元気をもらう
しばらくすると、四人は気づきます。
自分たちが元気を与えるつもりで来たのに、むしろ元気をもらっている。
「おはようございます!」
「今日もがんばって!」
「テレビ見てるよ!」
「また学校来て!」
次々に声をかけられます。
悠真。
「これ、朝から元気出ますね」
蓮。
「分かります」
リン。
「イベントより近い感じする」
陽太。
「毎朝やったら体力いるけどな」
先生からのお礼
登校時間が終わるころ。
校長先生が四人にお礼を伝えました。
「子どもたちがいつもより明るく登校していました」
さらに、
「有名な学生さんが来たこともうれしかったと思いますが、それ以上に、ちゃんと一人ずつにあいさつしてくれたのがよかったです」
四人は少し照れながら頭を下げました。
彩花の記事
その日の午後。
彩花は地域活動部のブログを更新しました。
タイトルは、
「ステージのない朝」
本文には、
BOY&BOYISH 4は、今日は歌いませんでした。
踊りませんでした。
マイクもありませんでした。でも「おはようございます」を何十回も言いました。
地域活動は、目立つことだけではありません。
いつもの街で、いつもの朝を少し明るくすることも活動だと思います。
と書かれていました。
カイルの評価
記事を読んだカイルは、
「これ、かなり大事な活動かも」
と言いました。
派手なステージより、こういう小さな接点のほうが、地域との距離を縮めることもある。
カイルは今後の予定表に、
「小学校 あいさつ運動」
と新しい項目を追加しました。
「また来てください」
数日後。
小学校から地域活動部へ、一枚の寄せ書きが届きました。
そこには、
「また来てください」
「おはようって言ってくれてうれしかった」
「今度は歌も聞きたい」
という子どもたちの言葉。
悠真はそれを見て、
「これ、うれしいですね」
蓮もうなずきます。
リン。
「次は歌付き?」
陽太。
「朝から?」
四人とも笑いました。
BOY&BOYISH 4の地域活動は、また一つ広がりました。
大きなステージではなく、朝の校門。
それでも確かに、人と人がつながる場所でした。


