【217号】傷跡の誓い 令和070515

 

傷跡の誓い

第4章:スタジオの熱と燃える支え

2023年4月2日、青葉市の撮影スタジオは熱気と情熱に満ちていた。スターライズエージェンシーのCM「Urban Breeze」追加撮影現場では、スポットライトが眩しく輝き、カメラのシャッター音が響き合う。佐藤陽太はスタジオ中央に立ち、切れ長の目をレンズに投げる。21歳の彼の黒髪ショートが汗で濡れ、白いシャツとジャケットが175cmの引き締まった体に映える。陽太はモデルとしての復帰を果たし、朝の講義室で悠斗の涙と抱擁を交わしたばかり。陽太の胸には、悠斗の「先輩の傷、俺の宝物っす」が熱く響いていた。

「陽太、最高! その鋭い視線、キレッキレだ!」カメラマンの声に、陽太はクールに頷く。だが、過酷な撮影スケジュールが陽太を追い詰める。傷跡の疼きがトラウマを呼び戻し、陽太の息が乱れる。「輝けなかった過去…またダメになるのか…」陽太の心が揺らぐ瞬間、スタジオの隅で藤田悠斗が彼を見つめていた。

19歳の悠斗は、丸顔の垂れ目が陽太を追い、黒髪ウェーブがライトに輝く。170cmの体にスウェットが軽やかに揺れ、初モデル撮影の緊張と陽太への愛が胸を熱くする。「陽太先輩…めっちゃカッコいいけど、なんか…辛そう…」悠斗の瞳が揺れ、祖父・明夫の「医者は人の心を救う仕事」が頭をよぎる。「俺、先輩の心、救いたい!」

撮影が12テイク目に突入し、陽太の足がふらつく。「陽太、休憩!」カメラマンが叫ぶが、陽太は「平気だ」と手を振る。次の瞬間、陽太が膝をつき、スポットライトに照らされた顔が青白い。悠斗は一瞬で駆け寄り、陽太の腕を強く支える。「陽太先輩! 俺、います! 絶対大丈夫っす!」悠斗の声はスタジオに響き、スタッフが息を呑む。陽太は悠斗の純粋な瞳に目を奪われ、ふっと笑う。「悠斗…お前、ほんと…」

悠斗は陽太の腕を両手で握り、額を陽太の額にそっと寄せる。「陽太先輩、俺の全てっす! 先輩、輝いてる…俺、信じてます!」彼の瞳が涙で輝き、陽太の心を撃ち抜く。陽太は悠斗の指を絡め、汗と熱気の中で囁く。「悠斗、お前の熱、俺の心を燃やすんだ。一緒に輝こうぜ」二人の視線がスポットライトで濃密に絡み合い、まるで時間が止まる。

陽太は悠斗の手を握ったまま立ち上がり、カメラに向かって鋭い視線を放つ。「アクション!」の声でポーズが決まり、スタジオが拍手に包まれる。撮影終了後、スタジオの外で二人は桜並木の下に立つ。陽太は悠斗の肩を引き寄せ、指を絡めたまま低く言う。「悠斗、お前がいたから、俺、踏ん張れた。地域医療、輝かせようぜ」悠斗は陽太の手に自分の手を重ね、頬を赤らめる。「はい、先輩! 俺、先輩の愛、全部受け止めるっす!」

桜の花びらが二人を包み、パステル画の柔らかい色調でロマンスを彩る。陽太の傷跡は服の下に隠れているが、悠斗の涙と指の絡み合いが、それを「宝物」に変えた。スタジオの熱気と桜の静寂が、二人の愛をメロメロに燃え上がらせた。



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