【94号】桜木遙ドラマ 純粋な夢と絆の光 令和070419 

 

悠斗くんの青春ドラマ:純粋な夢と絆の光
第7話:実習の壁と陽太の支え
文:桜木遥
シーン1:星翔大学の春
2023年4月、春。星翔大学のキャンパスは、桜が散り新緑が芽吹く。藤田悠斗(20歳、医学部3年)は、白衣を手に医学部棟へ急ぐ。丸顔に垂れ目の純粋な瞳、黒髪のウェーブが春風に揺れる。「SPARKLE VIBE」の撮影成功と母・恵美の手紙が、悠斗の心に小さな自信を灯している。
「今日から本格的な実習…陽太先輩たちと頑張るぞ!」
悠斗が呟くと、佐藤陽太(22歳、医学部5年)が階段で追いつく。切れ長の目と爽やかな笑顔が、朝のキャンパスを明るくする。
「よ、悠斗!実習、気合い入ってるな!患者さん、ビビるぜ」
「陽太先輩!や、ビビらないように頑張ります!」
悠斗が笑うと、山田彩花(22歳、医学部5年)が教科書を抱えて現れる。ショートカットの黒髪と柔らかな笑顔が、春の空気に溶ける。
「悠斗くん、陽太、朝からうるさいよ!でも、悠斗くんの実習、楽しみだね」
「彩花さん、ありがとう…でも、ちょっと緊張してる…」
三人が笑い合う中、陽太が「緊張は最初だけだ。俺たち一緒だろ」と肩を叩く。悠斗の胸に、友情の温かさが広がる。
シーン2:実習の壁
星翔大学病院の実習室。初の患者模擬診察で、悠斗は高齢者役のボランティア患者を診る。だが、緊張で聴診器を落とし、血圧測定の手順を忘れる。指導医の厳しい声が響く。
「藤田君、基本ができてないぞ。患者さんが不安になるよ」
クラスメイトの視線に、悠斗は顔を赤くして俯く。
「す、すみませんでした…」
実習後、ロッカールームで悠斗は白衣を脱ぎながら呟く。
「俺…医者、向いてないのかな…母ちゃん、陽太先輩に恥かかせちゃった…」
陽太がロッカーを閉めながら現れ、悠斗の肩に手を置く。
「悠斗、落ち込むの早えぞ。俺も1年目、聴診器落として患者さんに笑われたぜ」
悠斗が目を上げる。
「陽太先輩…でも、俺、ミスばっかで…」
陽太が笑う。
「ミスは医者の第一歩だ。俺の傷、覚えてるだろ?あの時、俺もダメだと思った。でも、諦めなかった。悠斗もだろ?」
陽太の傷跡が、悠斗の脳裏に浮かぶ。祖父・明夫の「心を救う」という言葉と重なり、悠斗の瞳に光が戻る。
「陽太先輩…うん、俺、諦めない!」
シーン3:彩花の励まし
夕方、星翔カフェ。三人は窓際の席でホットサンドを食べる。窓の外、新緑が春風に揺れる。彩花が「悠斗くん、実習、どうだった?」と聞くと、悠斗が俯く。
「ミスして…指導医さんに怒られて…俺、ダメだったよ…」
彩花が優しく言う。
「悠斗くん、私も3年目、患者さんの名前間違えて泣いたことあるよ。でも、陽太に『次、頑張れ』って言われて、乗り越えたんだ」
陽太が「彩花、あの時、めっちゃ泣いてたよな!」と笑うと、彩花が「陽太、バラすな!」と突っ込む。悠斗がくすっと笑い、言う。
「彩花さん、陽太先輩…俺、今日、ほんと落ち込んだけど、二人に話したら、なんか元気出てきた」
陽太が「それでいい!悠斗の純粋さ、患者さんに絶対届くぜ」と笑う。彩花が「うん!悠斗くん、明日も頑張って。私たち、応援団だよ」と手を握る。悠斗の目に涙がにじむ。
「ありがとう…俺、医者になる。二人と一緒に!」
カフェの窓から、新緑の光が三人を爽やかに照らす。
シーン4:アパートの決意
夜、悠斗のアパート。机には祖父の医療日誌と、陽太からもらった実習ノート。悠斗は母・恵美に電話をかける。
「母ちゃん、今日、実習でミスっちゃって…でも、陽太先輩と彩花さんが励ましてくれて、頑張ろうって思えたよ」
「悠斗、いい友達がいるね。母ちゃん、安心した。祖父ちゃんも、悠斗の頑張り、見てるよ」
恵美の声に、悠斗の目が潤む。
「うん、母ちゃん。俺、医者になって、緑川町に帰るよ。絶対!」
電話を切り、悠斗は実習ノートを開く。陽太の走り書きに「悠斗、ミスは宝物だ」と書かれている。悠斗は笑顔で呟く。
「陽太先輩、彩花さん、祖父ちゃん…俺、明日も頑張るよ」
窓の外、春の星が瞬く。悠斗の心に、友情の光が宿る。
シーン5:新緑の桜並木
翌朝、桜並木。三人は実習前に並んで歩く。陽太が「悠斗、今日の実習、気合い入れろよ!」と笑う。彩花が「悠斗くん、純粋な笑顔、患者さんに届けるんだよ」と目を細める。悠斗が笑顔で頷く。
「うん!陽太先輩、彩花さん、俺、ミスしても諦めない。医者になるよ!」
陽太が「その意気だ!俺も負けねえぞ」と肩を組み、彩花が「二人とも、かわいいね!」と笑う。三人が笑い合う中、新緑の葉が春風に舞う。悠斗が呟く。
「祖父ちゃん、母ちゃん…俺、友達と一緒に、夢を叶えるよ」
新緑の光が三人を爽やかに包み、友情が未来を照らす。
エンディング
星翔大学の新緑のキャンパス。陽太、彩花、悠斗が実習室で笑い合う。悠斗のナレーション。
「実習の壁は高かった。でも、陽太先輩と彩花さんの友情が、俺を支えてくれた。俺、医者になるよ」
画面が暗転し、新緑の桜並木が揺れる。悠斗の純粋な心が、友情の光で輝く。

桜木遥のあとがき
第7話、いかがでしたか?悠斗くんの純粋な心が、実習の壁にぶつかりながら、陽太先輩と彩花さんの友情で爽やかに輝く瞬間を、温かく描きました。橋田壽賀子さんのように、カフェのホットサンドや新緑の並木といった日常に、絆の活力を込めました。悠斗の涙と笑顔が、皆さんの心に届いたら幸せです。次回は、モデルと医者の両立に葛藤する第8話。悠斗の挑戦と友情がどう光るか、楽しみにお待ちくださいね。

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