【1222号】カルドヴァ高校物語 ―名前を先に呼ぶ人たち― 令和080908
カルドヴァ高校物語/新聞部版

温泉街のカルドヴァ高校。新聞部に転入してきた陽太は、初日から校門の案内板を三度見違える。担任のカイルは「弟分を紹介する」と古本屋へ寄り道し、薬草談義に脱線。店頭の『AI』を陽太が「愛……?」と読む。隣にいた生徒会書記で新聞部デスクの彩花が「愛ではない。締切に戻れ」とタイマーを鳴らす。二人は付き合っている。陽太だけが、それが公式だといまだに半信半疑である。 陽太を追ってリンが転入する。校門で立ち尽くすリンを見つけたのは保健委員兼新聞部のノア。確認魔のレオンが道を案内し、彩花が転入届と部員名簿を同時に通し、エリシアが「校内図はこちらです」とフルートケースで校内を指す。陽太と再会したリンは「あんたに会えたなら、ここに残るよ」と腰を据える。
部の方針は体験突撃取材。陽太は軽音と合唱に潜り、歌ったまま原稿を忘れる。ノアは保健委員会と一緒に救護訓練へ行き、赤面しながら体温計の使い方を記事にする。レオンは放送部と陸上部を掛け持ちし、「見てみてた」が取材メモの定型句になる。セシルは地図係のまま吹奏楽と地理研究に潜り、知らないことは知らないと書く。エリシアはフルートで正規取材しつつ、セシルの地図の誤りを丁寧に直す。カイルは顧問として本草同好会に連れていき、余談が三分を超えると彩花が切る。
ある日、新聞部の更衣室でリンが、青いチュニック由来のブレザーを短くしたミニスカ制服でランウェイゴッコをしていた。陽太が名前を呼び、彩花がタイマーではなく沈黙した。王様が「国民(生徒)の表現活動」と公認し、月刊連載「東門ランウェイ」が始まる。リンは月10日、取材と紙面の日にその制服を着る。理由を聞かれれば「見られたから、隠すより記事にした」と笑う。厨房では悪ノリをしかけ、彩花が「今日は菓子だけ」と止める。
保健室で陽太が熱を出した夜、カイルが薬草を熱弁し、エリシアがラテン名を復唱し、彩花が「3分経過」と切る。リンが「授業より長いな」と笑い、陽太は朦朧としながらも、彩花の名をいちばん先に呼ぶ。
語学カフェは新聞部の公開イベントとして開く。王様が「国民が難解な書物に苦しんでいる」と言い、彩花が「生徒です」と訂正する。ステージは陽太とリンのコンビ、エリシアのフルート、セシルの地図展示、ノアの司会、レオンの音響。カイルの本草が生マイクに乗る。レオンはエリシアのソロだけ録音レベルを上げ、ノアはそれに気づかない。エリシアは司会のノアのほうを見ている。
秋の文化祭「東門灯」。新聞部が特集号を出し、体験取材の成果を舞台と紙面の両方で見せる。陽太が歌い、リンが語り(その日はランウェイ制服)、カイルが本草を織り、セシルが進行を遅らせ、彩花が時間を合わせる。終演後の厨房に馬拉糕(マーラーカオ)。リンが冗談を飛ばしかけ、彩花が止める。ノアが赤くなり、レオンが「見てみてた(音響の数値だ)」と言う。エリシアはノアに茶を注ぐ。レオンはそれに気づいて、それでも音響の数字を直す。
いつか故郷の農家を継ぐ日が来るとしても、リンは寂しさを表に出さず、まず紙面と仲間と笑い合うことを選ぶ。陽太は彩花のタイマーが鳴る前に、名前を先に呼ぶ。

部の方針は体験突撃取材。陽太は軽音と合唱に潜り、歌ったまま原稿を忘れる。ノアは保健委員会と一緒に救護訓練へ行き、赤面しながら体温計の使い方を記事にする。レオンは放送部と陸上部を掛け持ちし、「見てみてた」が取材メモの定型句になる。セシルは地図係のまま吹奏楽と地理研究に潜り、知らないことは知らないと書く。エリシアはフルートで正規取材しつつ、セシルの地図の誤りを丁寧に直す。カイルは顧問として本草同好会に連れていき、余談が三分を超えると彩花が切る。
ある日、新聞部の更衣室でリンが、青いチュニック由来のブレザーを短くしたミニスカ制服でランウェイゴッコをしていた。陽太が名前を呼び、彩花がタイマーではなく沈黙した。王様が「国民(生徒)の表現活動」と公認し、月刊連載「東門ランウェイ」が始まる。リンは月10日、取材と紙面の日にその制服を着る。理由を聞かれれば「見られたから、隠すより記事にした」と笑う。厨房では悪ノリをしかけ、彩花が「今日は菓子だけ」と止める。
保健室で陽太が熱を出した夜、カイルが薬草を熱弁し、エリシアがラテン名を復唱し、彩花が「3分経過」と切る。リンが「授業より長いな」と笑い、陽太は朦朧としながらも、彩花の名をいちばん先に呼ぶ。
語学カフェは新聞部の公開イベントとして開く。王様が「国民が難解な書物に苦しんでいる」と言い、彩花が「生徒です」と訂正する。ステージは陽太とリンのコンビ、エリシアのフルート、セシルの地図展示、ノアの司会、レオンの音響。カイルの本草が生マイクに乗る。レオンはエリシアのソロだけ録音レベルを上げ、ノアはそれに気づかない。エリシアは司会のノアのほうを見ている。
秋の文化祭「東門灯」。新聞部が特集号を出し、体験取材の成果を舞台と紙面の両方で見せる。陽太が歌い、リンが語り(その日はランウェイ制服)、カイルが本草を織り、セシルが進行を遅らせ、彩花が時間を合わせる。終演後の厨房に馬拉糕(マーラーカオ)。リンが冗談を飛ばしかけ、彩花が止める。ノアが赤くなり、レオンが「見てみてた(音響の数値だ)」と言う。エリシアはノアに茶を注ぐ。レオンはそれに気づいて、それでも音響の数字を直す。
いつか故郷の農家を継ぐ日が来るとしても、リンは寂しさを表に出さず、まず紙面と仲間と笑い合うことを選ぶ。陽太は彩花のタイマーが鳴る前に、名前を先に呼ぶ。【テーマ】
堅苦しい罰はない。名前を先に呼ぶ。薬草の名を間違えない。余談は三分。茶と菓子は薬と混ぜない。見られたなら隠すより記事にする。 王様が居場所を作り、カイルが知識を語り、彩花が時間を刻み、エリシアが言葉を紡ぎ、リンが笑い、陽太が歌う。迷い込んだ者が、紙面の灯になり、誰かを照らす。












