【1295号】地域活動部は「学生の本分」を忘れない 令和080920

 


地域活動部は「学生の本分」を忘れない

活動も、勉強も、どちらも本気で

海老楽大学の地域活動部は、活動範囲がどんどん広がっていました。

商店街。

小学校。

中学校。

地域イベント。

海老楽テレビ。

サッカー部との交流。

バスケットボール部の指導。

BOY&BOYISH 4としての歌とダンス。

外から見れば、毎日かなり忙しく見えます。

でも、部には最初から一つの共通認識がありました。

「学生である以上、学業をおろそかにしない。」

これはカイルだけが決めたルールではありません。

陽太、リン、蓮、悠真、彩花、カイル。

六人全員が納得して続けてきた方針でした。



部室には、勉強の時間がある

地域活動部の部室には、衣裳ラックや撮影機材だけでなく、

教科書。

参考書。

ノート。

タブレット。

課題プリント。

時間割。

試験日程表。

まで、きちんと置かれていました。

ホワイトボードにも、イベント予定だけではなく、

「レポート提出」

「小テスト」

「中間試験」

「期末試験」

といった文字が並びます。

ステージの翌日でも、必要なら部室で勉強。

テレビ収録のあとでも、提出物があれば先に片付ける。

地域活動部は、いつの間にか小さな自習室のようにもなっていました。




陽太は静かに積み上げる

陽太は、勉強でも派手ではありません。

必要なことを毎日少しずつやるタイプでした。

試験前に一気に詰め込むより、普段からノートを整理し、分からないところを残さない。

蓮が、

「陽太先輩、試験前なのにあまり焦らないですね」

と聞くと、

陽太は、

「前からやってれば、直前に全部やらなくていいから」

と答えます。

リン。

「それを毎回できるのがすごいんだよ」


リンは振付と同じ感覚

リンは、勉強を振付と似たように考えていました。

一度で全部覚えようとしない。

細かく分ける。

繰り返す。

理解できていない箇所をそのままにしない。

試験範囲を見ながら、

「ここ、ターンの途中で足がずれてるのと同じ感じ」

と言い出したこともあります。

悠真。

「勉強までダンスで説明するんですか」

リン。

「分かりやすいでしょ」

意外と、悠真にはそれが分かりやすかったようです。


蓮は計画表を作る

蓮は六人の中でも、特に計画管理が得意でした。

試験日。

課題の締切。

地域イベント。

テレビ収録。

練習。

それを一枚の表にまとめ、

「ここは予定を入れすぎないほうがいいです」

と調整します。

カイルは、

「俺よりプロデューサーっぽい」

と苦笑い。

彩花。

「カイルは企画増やす側だから」

蓮。

「だから止める人が必要なんです」

部室が笑いに包まれます。


悠真も変わった

高校時代の悠真なら、

「課題はあとで」

「試験前日にやればいい」

というタイプでした。

でも今は違います。

地域活動を続ける中で、

約束を守ること

準備すること

相手に迷惑をかけないこと

の大切さを覚えました。

それは学業にもそのままつながります。

提出物を遅らせない。

欠席した授業はすぐ補う。

分からないところはその日のうちに聞く。

悠真はある日、

「俺、高校のころより勉強してます」

と言いました。

蓮。

「大学生だから普通では」

悠真。

「正論やめて」


彩花とカイルも同じ

彩花は広報活動が忙しくても、課題はきっちり終わらせます。

写真整理。

ブログ。

イベント告知。

取材対応。

その合間に授業ノートをまとめる。

カイルも企画書ばかり作っているように見えて、実は学業管理はかなり厳密でした。

二人とも、

「活動が理由で成績を落としたら、地域活動部の説得力がなくなる」

と考えていました。


試験前は「活動縮小」

地域活動部には明確なルールがありました。

試験前は活動を減らす。

必要なイベント以外は入れない。

歌やダンスの練習も短縮。

テレビ側にも大学行事を優先すると伝える。

地域からの依頼があっても、

「この時期は試験のため参加できません」

ときちんと断ります。

最初は残念がられることもありました。

でも、地域の人たちも次第に、

「学生なんだから、まず勉強ね」

と理解してくれるようになりました。

むしろ商店街の人から、

「試験どうだった?」

と聞かれるほどです。


成績発表の日

学期末。

六人はそれぞれ成績表を確認しました。

陽太。

「A」

リン。

「俺も」

蓮。

「全部Aです」

悠真。

「待って、俺も全部A」

彩花。

「こっちも」

カイル。

「全員?」

六人で確認します。

単位落とし、なし。

しかも、

全科目A評価。

一瞬、部室が静かになります。

そのあと悠真が、

「これ、普通にすごくないですか」

と言いました。

彩花。

「普通にすごい」

リン。

「イベントよりうれしいかも」

陽太。

「ちゃんとやった結果だな」

カイルはホワイトボードに、

「全員 単位取得・全科目A」

と書きました。

その下に、

「活動も学業も、どちらも手を抜かない。」

と追加します。


学長も評価

後日、学長も地域活動部の成績状況を知ります。

地域活動で大学に貢献しているだけではなく、学業成績も非常に良好。

学長は、

「これが理想的な学生活動ですね」

と評価しました。

活動実績があるから特別扱いされるのではなく、

学生としての本分も果たした上で、地域にも貢献する。

その姿勢が、地域活動部の信頼をさらに高めました。


部室の新しい風景

それ以降。

部室では、

歌の練習。

イベント会議。

衣裳合わせ。

動画編集。

その横で、

普通に参考書を開く四人。

彩花がレポートを書き、

カイルが企画書と課題を並べ、

蓮が試験予定を確認し、

悠真がリンに問題を聞く。

陽太は黙々とノートをまとめる。

ステージだけを見れば華やかです。

でも、その裏側には、

教科書とノートに囲まれた時間

がありました。

BOY&BOYISH 4も地域活動部も、

人気だけで続いているわけではありません。

学生として積み上げる力があるからこそ、地域活動も長く続けられる。

それが、海老楽大学地域活動部のもう一つの強さになっていったのでした。

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