【1348号】BOY&BOYISH 4  「満員のアリーナで、街ごと跳ねる」 令和080927

 


BOY&BOYISH 4

「満員のアリーナで、街ごと跳ねる」

海老楽市をホームタウンとするプロバスケットボールチーム、

XSpark

紺色のユニフォームをまとい、スピードと運動量を武器にする地元人気チームです。

そのXSparkから、海老楽大学地域活動部へ一本の依頼が届きました。

内容は、

「ホームゲームのハーフタイムイベントに、BOY&BOYISH 4として出演してほしい」

相手は、朱色のユニフォームで知られる強豪、

YGPT

でした。

しかも、その試合はシーズンでも特に注目度の高いカード。

依頼書を読んだ彩花は、部室で思わず声を上げました。

「これ、本気?」

カイル。

「本気だね」

悠真。

「プロバスケのアリーナですよね?」

リン。

「野球場の次はアリーナかあ」

陽太。

「また話が大きくなったな」


XSparkからの条件

XSpark側が求めていたのは、単なるダンスショーではありませんでした。

ホームゲームの雰囲気を高める。

XSparkファンだけでなく、アウェーのYGPTブースターも楽しめる。

試合の邪魔をせず、むしろ後半戦へ熱気をつなげる。

そこでカイルは言いました。

「XSparkだけを持ち上げる演出にはしない」

悠真。

「ホームなのに?」

「ホームだからこそだよ」

「相手のファンも、わざわざ海老楽まで来てくれてる」

リン。

「なるほど」

陽太。

「バスケを見に来た人全員を盛り上げるってことか」

カイル。

「そう」


演出テーマ

カイルがホワイトボードへ書いたのは、

「HOME × AWAY × CITY」

でした。

XSpark。

YGPT。

そして海老楽市。

この三つを対立ではなく、

同じアリーナで一つの熱気をつくる存在

として見せます。

彩花。

「それ、地域活動部らしい」


衣裳

今回の衣裳は、XSparkの紺を基調にしたスポーティーなステージウェア。

ただしBOY&BOYISH 4の個性も残します。

陽太と蓮は、紺のショートジャケットとパンツ。

リンと悠真は、紺を基調にしたプリーツスカート型のスポーツ衣裳。

そこへ白と銀のライン。

そしてワンポイントで、

XSparkカラーのアクセント

を入れました。

藤崎レオ。

「バスケットコートで動くなら、布の重さはかなり落とします」

リン。

「ジャンプ対応?」

「当然」

悠真。

「また本気仕様だ」


試合前から異変

試合当日。

海老楽アリーナ。

開場前から長い列。

紺色のXSparkユニフォーム。

朱色のYGPTユニフォーム。

両方が入り混じっています。

さらに、

BOY&BOYISH 4のファン。

海老楽大学の学生。

商店街の人たち。

家族連れ。

子どもたち。

アリーナスタッフが無線で確認します。

「指定席、ほぼ満席です」

別のスタッフ。

「当日券、残りわずか」

そして開場からほどなく。

電光掲示板に、

SOLD OUT

満員御礼

の表示。

チケットは、

打ち止め。

海老楽アリーナは完全満員になりました。


XSpark選手も驚く

ウォームアップ中。

XSparkの選手がスタンドを見上げます。

「今日すごくない?」

別の選手。

「アウェー側までびっしりだぞ」

主将。

「BOY&BOYISH効果もあるんじゃない?」

若手選手。

「でもYGPTのファンもめちゃくちゃ来てますよ」

主将。

「それでいいんだよ」


YGPT側も盛り上がる

朱色に染まったアウェースタンドでも、

「今日のハーフタイム、BOY&BOYISH 4出るらしいよ」

「知ってる!」

「海老楽テレビで見た」

「リン君いるよね」

「陽太君も」

XSparkファンだけではありません。

YGPTブースターの間でも、

BOY&BOYISH 4の知名度はかなり高くなっていました。

アウェー側からも、

「リンー!」

「陽太ー!」

という声が飛びます。

悠真。

「相手側からも呼ばれてますよ」

蓮。

「すごいな」


前半戦

試合開始。

XSparkは高速トランジション。

YGPTはフィジカルを生かしたハーフコート。

一進一退。

第1クォーター。

XSparkリード。

第2クォーター。

YGPTが逆転。

前半終了時、

XSpark 46
YGPT 48

わずか2点差。

アリーナの熱気はすでに最高潮。


ハーフタイム

照明が落ちます。

コート中央へスポットライト。

場内アナウンス。

「本日のハーフタイムスペシャルパフォーマンス!」

歓声。

「海老楽大学地域活動部!」

さらに大歓声。

「BOY&BOYISH 4!」

アリーナが揺れました。





四人登場

陽太。

リン。

蓮。

悠真。

四人がセンターコートへ。

XSpark側。

歓声。

YGPT側。

こちらも歓声。

リンがアウェースタンドへ手を振ると、

朱色の客席からさらに大きな声。

陽太。

「すごいな」

リン。

「今日は完全アウェーないね」


最初はXSpark

音楽スタート。

XSparkの速攻をイメージした、

高速ステップ。

陽太が前へ。

強い踏み込み。

ジャンプ。

蓮が後ろからラインを整える。

リンと悠真が左右へ展開。

紺色の衣裳がコートを走ります。


そしてYGPT

途中で音楽が変わりました。

照明が、

朱色へ。

会場がざわつきます。

悠真。

「来た!」

今度はYGPTの力強いスタイルをイメージ。

大きな動き。

重いビート。

リンがアウェー側へ向いてターン。

YGPTブースター。

「うおおおお!」

XSpark側からも拍手。


「両方やるの?」

観客はここで気づきました。

このショーは、

XSparkだけの応援ではない。

YGPTも同じようにリスペクトしている。

そこから空気がさらに変わりました。


最後は両チームカラー

終盤。

照明は紺と朱の二色。

スクリーンには、

XSpark × YGPT

BASKETBALL CONNECTS US

四人が中央に集まります。

陽太。

「海老楽!」

観客。

「おおー!」

リン。

「XSpark!」

紺色スタンド。

「XSpark!」

悠真。

「YGPT!」

朱色スタンド。

「YGPT!」

蓮。

「最後はみんなで!」

そして全員。

「BASKETBALL!」

満員のアリーナが一つになりました。


選手たちも見ていた

ロッカールームへ戻りかけていたXSparkの選手たちも、

トンネル付近で足を止めていました。

YGPTの選手も同じです。

XSpark主将。

「アウェーも盛り上げたな」

YGPT主将。

「いいじゃん」

二人は笑いました。


後半戦

ハーフタイム終了。

選手がコートへ戻ります。

今度は、

XSparkブースターだけでなく、

YGPTブースターからも大きな拍手。

両チームの選手が驚きます。

試合はさらに激しくなりました。

3ポイント。

ブロック。

速攻。

リバウンド。

終盤まで接戦。


最終クォーター

残り42秒。

XSpark 91。

YGPT 91。

同点。

アリーナは総立ち。

XSparkが攻める。

残り10秒。

ドライブ。

キックアウト。

コーナーから3ポイント。

シュート。

リング。

一度跳ねる。

そして、

入る。

94対91。

残り2秒。

YGPTの最後のシュートは惜しくも外れました。

試合終了。


勝者と敗者の境目を越える

XSparkブースターは大歓声。

しかしYGPT側からも、

拍手。

XSpark選手も、

YGPT選手も、

センターコートで握手します。

BOY&BOYISH 4は選手入場口付近からその様子を見ていました。

リン。

「いい試合だったね」

陽太。

「うん」

悠真。

「これ、負けた側もまた来たくなりますね」

蓮。

「それが一番いいかも」


相互ブースターから大人気

試合後。

SNSでは双方のブースターから投稿が相次ぎました。

XSpark側。

「ホームを盛り上げてくれて最高」

「BOY&BOYISH 4また来て」

YGPT側。

「アウェーファンまで大事にしてくれた」

「リンがこっち向いて手振った瞬間すごかった」

「今度はYGPTホームにも来てほしい」

特に、

相手チームまで応援演出に取り入れたこと

が高く評価されました。


YGPTからも依頼?

数日後。

彩花が部室へ入ってきました。

「大変」

カイル。

「今度は何?」

彩花。

「YGPTから連絡」

全員。

「え?」

「向こうのホームゲームにも来てほしいって」

悠真。

「やっぱり!」

リン。

「遠征?」

陽太。

「また大きくなった」


XSparkからの評価

XSpark側も、

BOY&BOYISH 4の出演を非常に高く評価しました。

特に、

「ホームチームだけを盛り上げるのではなく、対戦相手とそのファンへの敬意を忘れなかった」

という点。

クラブ担当者。

「これがプロスポーツの地域文化なんです」

「勝ち負けはコートの中」

「でもアリーナ全体は一緒に作る」

カイルは強くうなずきました。


海老楽市の新しい娯楽

この試合をきっかけに、

XSparkのホームゲームはさらに注目されるようになりました。

商店街では、

試合日限定メニュー。

EBIRAKUブランドでは、

応援ファッション。

海老楽テレビでは、

試合前特番。

東高校新聞部では、

スポーツと地域文化をテーマにした記事。

大学野球と同じように、

今度はプロバスケットボールが、

海老楽市の週末の楽しみ

になっていきました。


試合後のアリーナ

観客が帰ったあと。

陽太とリンは空になり始めたスタンドを見ていました。

リン。

「野球場もすごかったけど、アリーナもすごいね」

陽太。

「満員になると空気が違うな」

リン。

「でも今日、一番よかったのは」

「何?」

「朱色の席からも名前呼ばれたこと」

陽太。

「うん」

リン。

「敵じゃないんだよね」

陽太。

「試合相手なだけだな」


BOY&BOYISH 4は、

XSparkの応援に呼ばれました。

けれど彼らが盛り上げたのは、

ホームチームだけではありませんでした。

XSpark。
YGPT。
二つのブースター。
そして海老楽市。

紺と朱。

二つの色が満員のアリーナでぶつかり、

最後には、

一つの大きな歓声

になりました。

その日から、

海老楽アリーナでは、

こんな言葉が聞かれるようになったのでした。

「次のホームゲーム、また満員になるかな?」

そして答えは、だいたい同じでした。

「BOY&BOYISH 4が来るなら、早めにチケット取らないと。」

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