【1275号】BOY&BOYISH設定~BOY&BOYISH、BOY&BOYISH 4 誕生物語 令和080917
BOY&BOYISH 4 誕生物語
四人になっても、始まりは「二人でひとつ」
海老楽大学の地域活動部が正式に認められ、陽太とリンのもとに高橋蓮と水野悠真が加わってから、部の空気は少し変わっていました。
以前は、陽太とリンが前に立ち、彩花とカイルが支える形。
そこへ新しい二人が入ったことで、練習室には四人分の声と足音が響くようになりました。
最初はあくまで、後輩としての参加でした。
蓮は音響や司会を手伝いながら、少しずつステージにも立つ。
悠真はリンにターンを教わり、ダンスの精度を上げていく。
陽太も蓮に、緊張したときの呼吸や立ち方を教えるようになりました。
四人はいつの間にか、かなり自然に並ぶようになっていました。
カイルが気づいたこと
ある日の練習。
陽太とリンがいつもの曲を踊り、その後ろで蓮と悠真が振付を確認していました。
カイルは途中で音楽を止めます。
「もう一回、四人でやってみて」
陽太が振り返ります。
「四人?」
「うん。後ろじゃなくて、全員前」
悠真はうれしそう。
蓮は少し緊張。
リンはすぐに位置をずらしました。
「じゃあ、蓮ここ。悠真は俺の反対側」
音楽が再開します。
陽太が前へ踏み込む。
リンがターン。
その動きに合わせて、蓮が中央を支え、悠真が大きく外へ広がる。
カイルは何も言わず、最後まで見ました。
そして音楽が止まると、
「これ、いけるな」
と一言。
ダンスだけではなかった
彩花が横から聞きます。
「四人ユニット?」
カイル。
「まだ分からない。でも、もう一つ試したい」
今度はマイクが四本用意されました。
蓮が驚きます。
「歌ですか?」
「そう」
陽太も少し笑います。
「急だな」
カイルは伴奏を流しました。
まず陽太。
落ち着いた、芯のある声。
次にリン。
明るく抜ける声。
蓮は音程が安定していて、コーラスに入ると全体が締まります。
悠真は軽い高音がよく伸びました。
四人でサビに入った瞬間。
彩花がスマートフォンから顔を上げます。
「……かなりいい」
カイルも笑いました。
「ダンスだけじゃないな」
「名前、どうする?」
練習後。
ホワイトボードの前に六人が集まります。
彩花が聞きました。
「四人で出るなら、名前どうするの?」
悠真が、
「新しい名前にします?」
蓮も、
「別ユニット扱いですか?」
少し考えていたカイルが、ホワイトボードに書きます。
BOY&BOYISH 4
陽太。
「そのままだな」
リン。
「分かりやすくていいじゃん」
彩花も、
「二人の名前を捨てないのがいい」
と賛成。
カイルは言いました。
「これはBOY&BOYISHを終わらせて四人組にするんじゃない。
陽太とリンが作ってきたものに、蓮と悠真が加わる形だから」
蓮はその言葉を聞いて、少し姿勢を正しました。
悠真も真剣な表情になります。
先輩から後輩へ
陽太は蓮に言いました。
「俺たちの真似をしなくていいから」
蓮。
「でも、陽太先輩みたいになりたくて」
「それはうれしい。でも、同じになる必要はない」
横でリンも悠真に言います。
「悠真も俺と同じスカートだからって、俺と同じ踊り方しなくていいよ」
悠真。
「はい」
「自分が一番動きやすい形を探したほうがいい」
それは、昔カイルと彩花が陽太とリンにしてきたことと同じでした。
違いを消さない。
むしろ、違いを並べる。
その考え方が、次の世代へそのまま渡っていきます。
初ステージ
BOY&BOYISH 4の初披露は、海老楽市の地域交流イベントでした。
告知を担当した彩花は、あえて大げさな宣伝をしませんでした。
「BOY&BOYISH、新しい四人のステージへ。」
それだけ。
でも当日は、会場いっぱいに人が集まりました。
陽太とリンを昔から知る人。
地域活動部で蓮と悠真を知った人。
海老楽テレビを見てきた家族連れ。
ステージに四人が並ぶと、会場が少しざわめきます。
左から、
陽太。
蓮。
悠真。
リン。
そして音楽が始まりました。
四人だからできること
最初のパートは陽太とリン。
いつものBOY&BOYISH。
そこへ蓮と悠真が加わる。
歌では陽太と蓮が低いパートを支え、リンと悠真が上へ抜ける。
ダンスでは二人ずつに分かれたり、四方向へ広がったり、最後には四人が一列に並ぶ。
観客はすぐに気づきました。
人数が増えたのに、BOY&BOYISHらしさは消えていない。
むしろ広がっている。
最後のサビ。
四人で歌いながら前へ出る。
会場から大きな拍手。
初ステージは大成功でした。
彩花のブログ
その夜、彩花はブログを書きました。
タイトルは、
「BOY&BOYISH 4、始まりました」
本文にはこう書かれていました。
陽太とリンが二人で作ってきたものに、
蓮と悠真が加わりました。でも、四人とも同じではありません。
陽太には陽太の強さ。
リンにはリンのしなやかさ。
蓮には蓮の安定感。
悠真には悠真の軽やかさ。四人になったからこそ、違いがもっと見えるようになりました。
BOY&BOYISHは、増えたのではなく、広がったのだと思います。
この記事は地域で大きく読まれ、彩花自身も「活動を伝える人」としてさらに知られるようになりました。
カイルの評価
カイルは翌日の練習で言いました。
「四人とも、歌もダンスも十分いける」
陽太。
「珍しく素直に褒めるな」
カイル。
「でも完成じゃない」
リン。
「やっぱり」
蓮と悠真は少し緊張。
カイルは笑います。
「完成してないから面白いんだよ」
そして新しい楽譜と振付表を机に置きました。
BOY&BOYISH 4
こうして、
佐藤陽太
林 明(リン)
高橋蓮
水野悠真
四人のユニット、
BOY&BOYISH 4
が正式に始まりました。
その後ろには、
プロデュースと演出のカイル。
広報と記録の彩花。
そして地域活動部。
最初は四人しかいなかった小さな同好会が、六人のチームになり、さらに新しいユニットまで生み出しました。
それでも根っこにあるものは変わりません。
誰かと同じになるためではなく、自分らしいまま並ぶ。
それが、BOY&BOYISH 4の始まりでした。
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